JJスターウォーズ ビギニング『スタートレック イントゥ ダークネス』

スタートレック イントゥ ダークネス』鑑賞

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Star Trek Into Darkness - International Trailer (HD ...

スターウォーズEP7』監督に内定した JJエイブラムスによる『スタートレック』新シリーズ2作目。TVシリーズ『SHERLOCK』『裏切りのサーカス』のベネディクト・カンバーバッジの参戦やJJ作品初のIMAX&3D作品などが話題になっていたが肝心のストーリーやカンバーバッジ演じるジョン・ハリソンの情報がほとんど明らかになっていなかったため鑑賞前はやや不安だったが蓋を開けてみたら、これがまたJJの作家性溢れた一作になっていた。

JJ作品の特徴といえばやはり過剰なレンズフレアだが本作でも至る所で挟み込まれておりそれらが3D効果と相まって作品全体にJJらしさを振りまいている。ちなみにJJのレンズフレア好きは海外の映画ファンからはさんざんネタにされておりその名も『Rense Flare』というファンメイドティザーが作られるほどである。


Lens Flare: The Movie - YouTube

その他の特徴として独自のカメラワークである人物を過剰に斜めから撮る手法も本作では健在。前述のレンズフレアにも言える事だがこれらのJJの作家性と『スタートレック』『スターウォーズ』のようなスペースSFが持つ、幾多のガラスや金属に反射する光や宇宙を漂うスターシップといった特殊なシチュエーションは相性がいい。特に後半のエンタープライズ号の重力安定装置が故障し、艦内構造の上下関係が崩壊するシーンは『2001年〜』や『インセプション』を彷彿とさせながらも、激しく動く艦内の光が起こすレンズフレアや文字通り人物を斜めに切り取るカメラワークというJJらしさが爆発するシーンだった。

本作はJJ作品初の3D作品かつ前作の欠点だった無駄に長い人物説明がないため、前作のアクションを正当進化させた3Dアクションが思う存分楽しめる。例えば前作のハイライトだった大気圏スカイダイビング(縦)が宇宙空間でのエンタープライズから敵艦への飛び移りアクション(横)になったり、ワープ空間での敵艦からの襲撃など3D効果*1を意識したアクションが非常に多い。特に敵艦への飛び移りシーンでの破損したエンタープライズ号の部品などが飛び交う宇宙空間を身一つの状態で猛スピードで飛行する主観3D映像はかなり楽しめた。

肝心のストーリーはどうだったかというと正直本作でスタートレックシリーズを初めて観るという観客には決して親切ではない作りになってしまっている。ただでさえ多い登場人物に加え前作から加わったタイムスリップ設定によって時系列までも複雑になっているため初見の人たちにはかなりハードルが高い。特にストーリー上一番重要な「ジョン・ハリソンの正体は実は」というシーンも旧劇場版を未見の人が「は?」と思ってしまっても仕方が無い。*2

気になった点を挙げるならば、インタビューでJJが本作ではダークナイトを意識した旨の発言をしていたが、お決まりの『悪役が素直に降参し連行できたと思ったら、、、』展開ぐらいしか参考にしていないところや『未来の自分に敵の攻略法を聞く』というまさかのチート展開だったりクロノス潜入シークエンスが完全に『スターウォーズミレニアムファルコンオマージュだったりと色々あるが近年の3DスペースSFアクションの中では出色のクオリティであることは言わずもがな。

従来会話劇が中心で決してアクションで魅せるような作品ではなかった『スタートレック』を3Dアクション大作に生まれ変わらせてしまったJJがそれこそSFスペースアクションの王者である『スターウォーズ』をどう生まれ変わらせるのだろうか。2015年まで待て!

追記)『30分で分かるJJエイブラムスとスタートレック


BBC The Culture Show 2013 The Magic Tricks of JJ ...

*1:近年のハリウッド大作でもトップクラスの3D強度

*2:『007』シリーズ観た事無い人に『スカイフォール』ラストの自己紹介シーンを見せるような物