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ヤクザ!パチンコ!!ラブホテル!!!『ウルヴァリン:SAMURAI』

劇場で予告編を観るたびに内容以上に「ニホンノ ミナサン コンニチワ〜↗ ヒュージャックマン デスゥ〜↘」の挨拶が頭に残る本作。*1

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The Wolverine: Official Trailer (2013) - YouTube

個人的には『X-MEN』シリーズでは『ファーストジェネレーション』が一番好きであり、旧三部作&『ウルヴァリン』スピンオフの尻すぼみ具合が気に入らないのであまり期待しないで観た。

ストーリーは『ファイナルディシジョン』で恋人ジーンを葬った傷心のローガン(=ウルヴァリン)がカナダで山ごもりしている所から始まる。狩猟での毒矢禁止ルールを破った不届きもののハンターにローガンが鉄拳制裁を加えている所に、かつての知人矢志田の使者を名乗る謎の日本人女性ユキオが現れる。大戦中ローガンに命を救われた矢志田だが高齢で大病を患った今、どうしてもローガンに再会したいという...

日本が舞台という事でハリウッド名物のトンデモ日本表現を楽しみに観たのだが、でるわでるわ不思議の国ニッポン!『日本人ボディガードはみんな片手にサブマシンガン!』『増上寺を出たらそこは秋葉原!』『パチンコ店でヤクザVS外人爪男のドンパチがあっても動じない日本人!』『上野駅は新宿駅*2!』などなど序盤の東京シークエンスは増上寺や新幹線上でのバトルシーン含めて高めのテンションで進むのだが、ローガンと矢志田家令嬢のマリコが長崎に身を隠してからはマーベル映画とは思えないぐらいの落ち着きで港町での二人の恋が描かれる。特に別荘での食事シーンは完全に小津オマージュの畳ショットやカメラワークが盛りだくさんなのでニヤニヤしながら観た。

しかし、この辺りからストーリーがぶれ始め、結局誰が誰の意思で動いているのかが分かりづらくなってくるのが辛い。それに加えていつもの『X-MEN』シリーズであれば悪役はスーパーパワーを持つミュータントだったり核爆弾を持った米軍など圧倒的な力でX-MENを苦しめるのだが、本作だと敵はハンドガン・ショットガン・ボウガンレベルの武装しかしていないジャパニーズ・ヤクザ&忍者や硫酸を吐き出す女ミュータントでラスボスもただのパワードスーツという様なので今ひとつ盛り上がらない。ローガンも基本的には鍵爪での攻撃しか出来ないのでマグニートーやストームのような派手なアクションが本作では観られないのだ。

それでも中盤の真田広之演じるシンゲンVSローガンのバトルは見事。このシーンが出てくるまではただのチビ御曹司*3だった真田広之がJAC仕込みの高速殺陣でローガンに襲いかかる姿は日本人としてぐっと来る。

後半での十三人の刺客(三池版)的な雪国でのローガンVSニンジャ軍団のシーンでは予告編でちらっと流れる屋根からのバイクスタントや大爆発シーンがカットされていたりと今ひとつ煮え切らない部分もかなり有るのだが、それらのもやもやは全てマーベル恒例エンドロール後のおまけ映像で吹っ飛ばされる。

本作を観るにあたって特にシリーズをわざわざ”復習”する必要は無いが、強いて言えば2014年公開の次作『Days of future past』のあらすじを確認しておけばラストのオマケ映像でアガルことは間違い無しである。

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*1:日本だけじゃなくてアメリカでも冒頭に挨拶していたみたい。どんだけ律儀なんだ。

*2:観れば分かる

*3:娘より小さい親父って辛いだろうな