希望とは明日の空『悲しみの忘れ方 DOCUMENTARY of 乃木坂46』

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7月10日(金)公開『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』本予告 ...

 48G DOCUMENTARYシリーズ第6作目となった本作。センター経験メンバー5人のインタビューを中心に2011年のグループ結成から最新作『太陽ノック』センター発表までをほぼ時系列順に描いた内容。

 本作のテーマは「人は変わることができるか?」。登場するメンバーは出身、家庭環境がそれぞれ違う中で「違う自分になりたかった」と代わる代わる口にする。中学で女子グループに馴染めなかったり、親の期待を背負いすぎるがゆえに自分を出すことができなかったりとその背景もそれぞれ違うものだ。そんな背景を本作では母親目線でのナレーションと共に紹介していく。それぞれ違う事情を抱えた彼女たちが「乃木坂46」として1つのグループに集結する序盤は純粋なオーディションドキュメンタリーとして丁寧に作られている。オーディションが終了した後も、いざ自分が”アイドル”として舞台に立つことが想像できず、もがきながら共同生活とレッスンの日々を過ごす彼女たちだが、グループの初ステージとして『AKB48リクエストアワーセットリストベスト100』に出演することになる。舞台裏で緊張の面持ちでスタンバイする姿が手持ちカメラのドキュメンタリースタイルで撮影されているのに対し、いざ本番『ぐるぐるカーテン』のイントロが始まった瞬間にステージ用クレーンカメラの映像に切り替わる。正しく一人の女性がステージ上のアイドルに変わる瞬間の輝きは『ぐるぐるカーテン』のポップさと相まって心を強く揺さぶられた。

 ”一般人”から”アイドル”への変化についてのイメージは本編中で何度も繰り返される。特に『透明な色』のキャンペーンで貼られたポスターと記念撮影している女子高生に桜井が声をかけるシーンや、デビュー以前に恋人と撮ったプリクラが流出した若月の「過去の自分を変えたくて乃木坂に入ったのに過去の自分に足を引っ張られるなんて…」というセリフが印象的だ。

 しかし、デビュー以降の描写がやや駆け足となってしまい今ひとつ作品テーマの一貫性が保てなかったのが本作の問題点だ。2014年の神宮での『君の名は希望』もパフォーマンス・演出共に素晴らしいが、作品全体の流れからだとあまりに唐突だし、わざわざ歌詞テロップまで出すのは説明過多だろう。*1松村のスキャンダルも、実際の誌面や握手会ブース内での光景をハッキリ見せる攻めた作りにはなっているが、幕引きがあまりに曖昧でモヤモヤしたものが残るため正直辛い。*2

 それでもクライマックス、西武ドームでの3周年ライブで主要5人が”トップアイドル”として見せる全力のパフォーマンスは映画館のスクリーンで見るべき美しさ!また、あまりにぶつ切りな終わり方も本作では描かれなかった2期生やアンダーへの目配りと考えれば次作への伏線として納得できる。青春群像劇としても十分面白い内容なのでお時間ある方は是非。

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*1:しかも”希望”の部分だけフォントサイズが違うってどうなのよ?デビューライブの『ぐるぐるカーテン』では歌詞テロップ出さなかったのに!

*2:ここでの橋本の発言の信頼感!ラストの”ある決意”含めて、本作で一番株を上げたと言っていい。